Lightship VPSの使用方法
開発者は、Lightship VPSを使用して、ユーザーの位置や向きを判断し、センチメートル単位の精度でARコンテンツを数秒で固定できるようになりました。Lightship VPSをUnityプロジェクトで使用することで、現実世界とデジタル世界をつなぐロケーションベースのAR体験を実現できます。仮想オブジェクトをロケーションにアンカー（固定）することで、仮想オブジェクトとそのオブジェクトが存在する空間で現実に近い形でインタラクトできるようになります。その結果、拡張現実（AR）体験がより個人的かつ意義深く、リアルなものに感じられ、ユーザーにとっては、周囲の世界を探索する理由が新たに増えることになります。
次のセクションでは、VPSを使用するための前提条件や、VPSの機能、VPSの使用を開始する方法について説明します。
Lightship VPSのセットアップに関する前提条件
Lightship VPSを使ったAR体験を開発するには、 ARDKを使い始める に記載されているように、Lightship ARDKでセットアップしたUnityプロジェクトが必要です。
注釈
Lightship VPSはデバイスのカメラや位置情報サービスを使用するため、アプリでこれらのサービスにアクセスするための権限が付与されていることを確認する必要があります。ARDKには権限のリクエストを処理するのに便利なクラスが付属しています。詳細については、 : see 権限 をご参照ください。
VPSが作動したWayspotを閲覧する
Lightship VPSでは、VPSが作動したWayspotを利用します。Wayspotは、唯一無二の名所で、一般的に立ち入ることができる、現実世界で目印となるような場所であり、この場所はLightship VPSを使用してローカライズすることができます。
VPSが有効な世界中のWayspotを検索するには、 lightship.dev の Geospatial Browser を使用します。プロジェクトで使用するWayspotsを選択し、関連付けられた3Dメッシュアセットをダウンロードします。
Wayspotを検索する方法やメッシュをダウンロードする方法については、 Geospatial Browser (ベータ版） のトピックを参照してください。
Niantic Wayfarerアプリを使用する
Niantic Wayfererアプリは、Lightship VPSを使用している開発者向けのアプリです。アプリをインストールすると、次のことを行うことができます。
VPSが有効なWayspotを表示する
テスト用にプライベートスキャンを作成する
VPSが有効なWayspotやプライベートスキャンを使用してローカライズをテストする
ロケーションをスキャンして、VPSが有効なWayspotsを新たに作成する
詳細については、 Niantic Wayfarerアプリを使用する をご参照ください。
VPSのテスト用にプライベートスキャンを作成する
開発目的およびテスト目的で、周辺エリアにプライベートVPSロケーションを作成し、テストすることができます。そのロケーションをスキャンすると、開発環境で使用できるように1つのメッシュが提供されます。このメッシュは、VPS体験のテストを目的として、開発者アカウントでのみ使用することができます。プライベートスキャンは、自宅やオフィスにいながらテストすることができます。そのロケーションに出向く必要はありません。プライベートスキャンは、公開中のWayspotが推薦されている、または作動している間にVPS体験を開発およびテストするのに適したソリューションですが、プライベートスキャンを公開プロジェクトで使用することはできません。
プライベートスキャンは、スキャン完了後、 Geospatial Browser の Private Scans（プライベートスキャン） タブでダウンロードできます。
詳細については、 プライベートスキャンの管理 をご参照ください。
VPSが有効なWayspotを新規作成する
VPSが有効なWayspotの世界のカバレッジは継続的に拡大していますが、VPSが作動していないロケーションもまだあります。プロジェクトで使用するロケーションがWayspotとして利用できない場合は、Geospatial Browser の**Wayspotを新規作成する** 機能からWayspot地点をNiantic に送信することができます。
Wayspotの作成と要件に関する詳しい情報は、 VPSが作動したWayspotを作成する をご参照ください。また、VPSが作動したWayspotやプライベートVPSロケーションをスキャンしてNiantic に情報を送信する方法については、 VPSのスキャンを生成する をご参照ください。
Wayspot Anchorsを使用してコンテンツを配置する
VPS Wayspot Anchorsを使用して、AR環境に一貫し、安定したポーズを維持する仮想オブジェクトを配置することができます。Wayspot Anchorsでは、VPSが作動しているWayspotやプライベートVPSロケーションから、現実世界におけるARコンテンツの位置を正確に特定することができます。VPS Wayspot Anchorsの仕組みに関する詳細は、 VPS Wayspot Anchorsを使用する をご参照ください。
アンカーの設定と管理には主に、VPS Authoring AssistantまたはWayspotAnchor APIの2つの方法で行うことができます。VPS Authoring Assistantは素早く動作し、いつでも行うことができるのに対し、WayspotAnchor APIでは、アプリで実行時に行う必要があります。
VPS Authoring Assistant（ベータ版）は、Wayspot Anchorsを作成し、ファイルやプロジェクトに保存するためのUnityツールです。このツールを使用することで、自宅やオフィスにいながら、VPSのエンドツーエンド向けの体験を簡単に作成することができます。詳細については、 UnityでWayspot Anchorsをオーサリングする を参照してください。
WayspotAnchor APIには、Wayspot Anchorを使用するための高レベルおよび低レベルのインターフェイスが付属しています。詳細については、 VPS Coverage APIを使用する を参照してください。
VPSベースのアプリケーションをビルドする
アンカーを設定し、コンテンツを配置したら、ARDKに付属するツールを使用して、実行時にロケーションやWayspot Anchorの解像度を管理し、Unityでの体験をシミュレートします。
詳細については、 VPSを使用してアプリの構築やテストを行う を参照してください。
VPS有効なWayspotでローカライズする
VPSが有効なWayspotにユーザーが物理的に近づくと、そのWayspotを使ってローカライズ（ロケーションを特定）してもらうことができます。VPSが作動したWayspotでローカライズするには、アプリがユーザーの位置情報データや、VPSが作動したWayspotのユーザー視点のカメラデータをLightship VPSに送信する必要があります。Lightship VPSによって、VPSが作動したWayspotに対するユーザーの位置と向きが判断されます。
VPS有効なWayspotを使ってローカライズする方法の詳細については、 VPSを使ってローカライズする を参照してください。
VPS Coverage APIを使ったプログラムによるWayspotsの検出
VPSが作動するWayspotを発見したり、VPSが作動する周辺のWayspotにナビゲートする機能がアプリに搭載されている場合は、VPS Coverage APIを使用する必要があります。VPS Coverage APIを使用すると、エンドユーザーがVPSのカバレッジエリアを検出し、VPSローカライゼーションターゲットを使用してローカライゼーションを行う最適な方法を理解できます。カバレッジエリアとは、ユーザーがローカライズターゲットを使用してローカライズできる地理的なエリアを表します。ローカライズターゲットとは、VPSが作動したWayspotを使ってローカライズする際に、ユーザーがデバイスを向けるべき方向を示すものです。
詳細については、 VPS Coverage APIを使用する をご参照ください。
アプリユーザーのユーザーIDを作成し設定する
VPSローカライゼーション、VPS Wayspot Anchors API、VPS Coverage APIなどの機能を使用するには、エンドユーザーから個人情報を収集する必要があります。詳細については、 Lightship ARDKのデータプライバシーに関するよくある質問 をご参照ください。
VPS Coverage APIとVPS Wayspot Anchors APIのAPIリクエストでは、ユーザーIDを使用して、アプリのユーザーを個々に一意に識別します。アプリのユーザーが変更されるたびに、このユーザーIDを生成し、現在のARDK構成に設定する必要があります。ユーザーIDを指定できない場合は、VPSでクライアントIDが使用されます。ユーザーIDとクライアントIDの詳細については、 ARDKのユーザーIDを使用する をご参照ください。